2003年4月7日放送
「永住者と定住者の違い」

RealAudio
シンディー 中野先生こんばんは、今日もよろしくお願いします。
中野辰宏 はいこんばんは。私の方こそよろしくお願いします。
シンディー 先生、今日のよくある相談は「永住者(Permanent resident)と定住
者(Long-term resident)の違いについて教えて下さい」ということで
す。
中野辰宏 なるほどねー。永住者と定住者の違いについては、今まで何回も取
り上げてきたのですが、やっぱりその、外国人の皆さんにとって分か
りにくい。
シンディー 音声的にもよく似てますからね。「永住者」(エイジュウシャ)と「定住
者」(テイジュウシャ)でしょ?
中野辰宏 シンディさん、あのね、永住者は英語で発音すると?
シンディー "Permanent resident."
中野辰宏 ありがとうございます(笑)。それでは、定住者の方は?
シンディー "Long-term resident."です。
中野辰宏 あー、なるほど。ありがとうございます。英語で発音すると、この違い
っていうのははっきりするんだけども。
シンディー だけど先生、そのビザの内容はよく似てるから難しいですね。
中野辰宏 じゃあね、永住ビザの方から説明していきましょうか。シンディさん、"
permanent"を日本語に訳すると、「永続する」とか「永久的な」とか、
「普遍」とか、そういう意味になるんですよね。
シンディー はい。そのとおりです。そして、"resident"は「キョウジュウシャ」?と
か・・・。
中野辰宏 あぁ、「居住者(キョジュウシャ)」ね。
シンディー 「サイジュウシャ」?とか・・・。
中野辰宏 あぁ、「在住者(ザイジュウシャ)」。
シンディー とか言う意味ですから、"Permanent resident"が永住者ということは、すっごく分かりやすいですね。ところが、定住者は"Long-term resident"ですよね。
中野辰宏 そうですよね。これ訳すると「長い期間の居住者」という意味ですよね。なんとなく、日本に長くいられるビザだろうな、ということは理解できるかもしれないですけれど、どのくらい長くいられるのか、永住に、永久にいられる永住者というのとどこが違うんだろうか、とか悩むよね。この点で言えばね、永住者との違いは、定住者は在留期間の更新をしなければならないということですね。それでは、永住から説明しましょう。シンディさん、永住ビザは分かりますよね。
シンディー んー、あの永住は永久に日本で暮らす事ができるというビザですから、更新をする必要はありません。また、活動にも制限がないから、日本人と同じように働くことができます。例えば、自分ひとりだけで会社を経営する事もできるし、また人に雇われて働く場合、給料はいくらでもOKです。そして、単純労働ももちろんOKです。外国人にとっては魅力的なビザですね。
中野辰宏 一度許可された永住ビザが、犯罪などでね、国外退去でもさせられない限りはね、まぁ永遠に取消されることはないというものですからね。外国人の方が日本で、マイホームを買うために住宅ローンを設定する場合にもね、永住ビザを持っておくことが条件になってますからね。やはり、まぁ、究極の在留資格と言えるでしょうね。
シンディー けど、先生ね、永住ビザは許可申請をしなければなりませんね。
中野辰宏 そういうことですね。日本では、移民を認めていないので、最初から永住者の在留資格で入国するということはありえません。必ず、日本で一定の年数暮らして、その後、永住ビザを下さいという意思表示をしなければならないんです。
シンディー で、先生ね、永住が許可される年数はビザの種類によって違いましたね。
中野辰宏 はい、一般的な基準としては、引き続いて10年以上在留していることです。例えば、留学生が卒業して日本の企業に就職して、就労ビザに変更した場合は、就労後5年以上経過し、トータルで10年以上在留していることが必要になります。だから、留学や就学、研修等のビザではね、10年以上在留期間があっても、申請はできないことになります。
シンディー で、先生ね、結婚ビザの場合は、もっと短い期間でもよかったですよね?
中野辰宏 そうですね。日本人の配偶者、永住者の配偶者、それから特別永住者の配偶者の場合はね、いわゆる実態を伴った婚姻、イミテーションじゃない婚姻がね、3年以上継続しており、かつ引き続き1年以上日本で暮らしていれば、これはOKです。日本人の実子や特別養子の場合も同じですね。また定住者のビザを持っている場合は、定住者の在留資格を付与されてから引き続き5年以上在留していればOKです。
シンディー 先生、これは大事なことなんですが、どんな種類のビザからの申請の場合も、最長の3年の在留期間をもらっていることが必要条件でしたね。
中野辰宏 はい、おっしゃるとおりですね。その他の基準としてはね、まず素行が善良であること、それから独立の生計を営むに足りる資金又は技能を有していること、そして永住が日本の国益に合することなどですね。素行が善良であるとはね、犯罪行為や法律違反がないこと。例えば、納税義務を守っていることね。
シンディー 先生、今度は定住者について説明してください。
中野辰宏 はい。定住者と永住者の共通点はね、どちらのビザも、活動に制限がないということですね。
シンディー 永住者と同じように、単純労働もOKでしたね。永住者との違いは、ビザの更新をしなければならないんですね。
中野辰宏 うん。そういうことです。そして、もう一つ大きな違いがありますね。定住者にはね、いくつかのパターンがあるんだけれど、先ほど定住者は入国後引き続いて一定の年数が経過した者が許可申請しなければ許可されないと言いました。それに対して、定住者という在留資格はね、これは法律で定められた一定の身分を有していることを証明することによって、入国の時点で与えられるものもあれば、法務大臣に一定の事実を提示して、法務大臣に特別にそのものの事情を判断して在留資格を与えるものもあるんです。
シンディー 先生、法律で定めているものは、日系の人たちですね。
中野辰宏 はい、そうですね。日系の二世や三世、そして配偶者ですね。日系の人たちとしては、ブラジルやペルーなどの南米の方が多いんですけども、中国にもフィリピンにもいらっしゃいます。そして、日系以外では、インドシナ難民の人たちも定住者に該当します。
シンディー 先生、日系やインドシナ難民の方たち以外の定住者というと、日本人と離婚した後、定住者を与えられたケースですね。
中野辰宏 そのとおりですね。先ほど、法務大臣がその者の事情を判断して在留資格を与えることになっていましたね。
シンディー 先生、これが一番難しいのですね。
中野辰宏 難しいですね。法律用語でね、「法務大臣の自由裁量」って言うんだけれども、自由裁量というのはね、法律の規定に基づいてそのような定住者の判断をするのではなくてね、極端に言えば、法務大臣が自由に決めることができるということなんですよ。つまり、基準や要件がほとんど明らかにされていないから、難しいんですね。
シンディー 先生ね、自由に決めることができて、基準や要件が分からないということは、色んなケースがあるということですね。
中野辰宏 そうですね。そういうことですね。つまり、どの在留資格にも該当しないけれど、どうしてもその人の在留を認めて欲しいというような場合に、定住者への資格変更を試みることはありますね。この方法は我々専門家にとっては、やりがいがありますけど、外国人の皆さんにとっては、文字通りわらにもすがる思いだと思いますね。
シンディー 先生ね、今までにどんなケースで定住者が許可されましたか?
中野辰宏 いくつかあるんですけれども、日本人と結婚したが子供がいない、しかしどの在留資格にも該当しないというケースが一番多いですけれど、他には観光で在留中の年老いた母親がまぁ定住者として認められたようなケースもあります。
シンディー 最後ですね、先生、定住者もらった人たちは、例えばね、仕事の関係とかによって、1年とか2年とかもっと長い年数でね、海外行かないといけないの場合、その場合はビザとかどうなるんですか?
中野辰宏 あ、要するに、長く海外に行っている間に、永住が取消されたり・・・。
シンディー そうそうそう。
中野辰宏 ということはないの?ってことですよね。
シンディー そうそう。1年に1回でも日本に帰らないといけないかなって。
中野辰宏 それはまずないですね。まぁ、1年に1回くらい帰ることはあるでしょう。それはまぁ深く悩むことはないですね。まぁ仕事の関係っていうのがありますからね。ただね、気をつけて欲しいのが、そういう方であっても、再入国許可の期限っていうのがありますでしょ?
シンディー はーはーはー。そうそうそう。
中野辰宏 その再入国が切れる前までに・・・
シンディー 3年ね。
中野辰宏 やっぱり1回帰ってきてくださいね、と。それだけは守らないと、後で大変な手続きになりますからね。
シンディー それはちゃんと見て海外行ってくださいということですね。
中野辰宏 はいはい。そういうことです。
シンディー 今日はありがとうございました。
中野辰宏 はい、私の方こそありがとうございました。
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